与えられた2階線形常微分方程式 $y'' + 2y' + y = e^{-t}$ を、初期条件 $y(0) = 1$ および $y'(0) = -1$ の下で、ラプラス変換を用いて解きます。

応用数学常微分方程式ラプラス変換初期条件逆ラプラス変換
2025/6/24

1. 問題の内容

与えられた2階線形常微分方程式 y+2y+y=ety'' + 2y' + y = e^{-t} を、初期条件 y(0)=1y(0) = 1 および y(0)=1y'(0) = -1 の下で、ラプラス変換を用いて解きます。

2. 解き方の手順

(1) 与えられた微分方程式の両辺をラプラス変換します。L{y(t)}=Y(s)\mathcal{L}\{y(t)\} = Y(s) とおきます。ラプラス変換の性質より、L{y(t)}=sY(s)y(0)\mathcal{L}\{y'(t)\} = sY(s) - y(0)L{y(t)}=s2Y(s)sy(0)y(0)\mathcal{L}\{y''(t)\} = s^2Y(s) - sy(0) - y'(0)L{et}=1s+1\mathcal{L}\{e^{-t}\} = \frac{1}{s+1} となります。
したがって、微分方程式のラプラス変換は次のようになります。
s2Y(s)sy(0)y(0)+2(sY(s)y(0))+Y(s)=1s+1s^2Y(s) - sy(0) - y'(0) + 2(sY(s) - y(0)) + Y(s) = \frac{1}{s+1}
(2) 初期条件 y(0)=1y(0) = 1 および y(0)=1y'(0) = -1 を代入します。
s2Y(s)s(1)+2(sY(s)1)+Y(s)=1s+1s^2Y(s) - s - (-1) + 2(sY(s) - 1) + Y(s) = \frac{1}{s+1}
整理すると、
s2Y(s)s+1+2sY(s)2+Y(s)=1s+1s^2Y(s) - s + 1 + 2sY(s) - 2 + Y(s) = \frac{1}{s+1}
(s2+2s+1)Y(s)s1=1s+1(s^2 + 2s + 1)Y(s) - s - 1 = \frac{1}{s+1}
(s+1)2Y(s)=s+1+1s+1(s+1)^2 Y(s) = s + 1 + \frac{1}{s+1}
(s+1)2Y(s)=(s+1)2+1s+1(s+1)^2 Y(s) = \frac{(s+1)^2 + 1}{s+1}
Y(s)=(s+1)2+1(s+1)3=s2+2s+2(s+1)3Y(s) = \frac{(s+1)^2 + 1}{(s+1)^3} = \frac{s^2 + 2s + 2}{(s+1)^3}
(3) Y(s)Y(s) を部分分数分解します。
Y(s)=As+1+B(s+1)2+C(s+1)3Y(s) = \frac{A}{s+1} + \frac{B}{(s+1)^2} + \frac{C}{(s+1)^3}
s2+2s+2=A(s+1)2+B(s+1)+Cs^2 + 2s + 2 = A(s+1)^2 + B(s+1) + C
s2+2s+2=A(s2+2s+1)+B(s+1)+Cs^2 + 2s + 2 = A(s^2+2s+1) + B(s+1) + C
s2+2s+2=As2+(2A+B)s+A+B+Cs^2 + 2s + 2 = As^2 + (2A+B)s + A+B+C
係数を比較すると、
A=1A = 1
2A+B=2    B=02A + B = 2 \implies B = 0
A+B+C=2    1+0+C=2    C=1A + B + C = 2 \implies 1 + 0 + C = 2 \implies C = 1
したがって、
Y(s)=1s+1+0(s+1)2+1(s+1)3=1s+1+1(s+1)3Y(s) = \frac{1}{s+1} + \frac{0}{(s+1)^2} + \frac{1}{(s+1)^3} = \frac{1}{s+1} + \frac{1}{(s+1)^3}
(4) 逆ラプラス変換を行います。L1{1s+1}=et\mathcal{L}^{-1}\{\frac{1}{s+1}\} = e^{-t}L1{1(s+1)3}=ett22!\mathcal{L}^{-1}\{\frac{1}{(s+1)^3}\} = e^{-t} \frac{t^2}{2!} です。
したがって、
y(t)=et+12t2ety(t) = e^{-t} + \frac{1}{2} t^2 e^{-t}

3. 最終的な答え

y(t)=et+12t2ety(t) = e^{-t} + \frac{1}{2}t^2e^{-t}

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