与えられた問題は、保存力による1次元の運動に関するもので、以下の4つの問いに答えます。 (a) 質量 $m$ の質点のポテンシャル $U(x)$ の下での運動を考え、運動可能な領域が $E-U(x) \geq 0$ で与えられるとき、質点の運動が式(1)で与えられることを示します。ここで $t(x)$ は $x(t)$ の逆関数であり、$x_0$ は初期座標です。 (b) 一定の力 $F$ がかかっている質点の軌跡 $x(t)$ を求めます。 (c) 与えられたポテンシャル $U(x)$ のグラフに対して、エネルギー $E_1, E_2, E_3, E_4$ を持つ質点が運動可能な範囲について説明します。 (d) 任意のポテンシャルの極小点において、そのテーラー展開を考え、極小点の近傍で質点が示す運動を議論します。

応用数学力学運動エネルギー保存則ポテンシャル調和振動子テーラー展開
2025/6/25

1. 問題の内容

与えられた問題は、保存力による1次元の運動に関するもので、以下の4つの問いに答えます。
(a) 質量 mm の質点のポテンシャル U(x)U(x) の下での運動を考え、運動可能な領域が EU(x)0E-U(x) \geq 0 で与えられるとき、質点の運動が式(1)で与えられることを示します。ここで t(x)t(x)x(t)x(t) の逆関数であり、x0x_0 は初期座標です。
(b) 一定の力 FF がかかっている質点の軌跡 x(t)x(t) を求めます。
(c) 与えられたポテンシャル U(x)U(x) のグラフに対して、エネルギー E1,E2,E3,E4E_1, E_2, E_3, E_4 を持つ質点が運動可能な範囲について説明します。
(d) 任意のポテンシャルの極小点において、そのテーラー展開を考え、極小点の近傍で質点が示す運動を議論します。

2. 解き方の手順

(a) エネルギー保存則 K(x)+U(x)=EK(x) + U(x) = E から、K(x)=EU(x)K(x) = E - U(x)。運動エネルギーは K(x)=12mv2K(x) = \frac{1}{2}mv^2 なので、v=dxdt=2(EU(x))mv = \frac{dx}{dt} = \sqrt{\frac{2(E - U(x))}{m}}。これを変形して dt=m2(EU(x))dxdt = \sqrt{\frac{m}{2(E - U(x))}}dx。両辺を積分し、x0x_0 から xx までの時間を求めると、問題文にある t(x)t(x) の式が得られます。
(b) 一定の力 FF がかかっている場合、U(x)=FxU(x) = -Fx です。したがって、運動方程式は md2xdt2=Fm\frac{d^2x}{dt^2} = F となり、これを積分すると、x(t)=12Fmt2+v0t+x0x(t) = \frac{1}{2}\frac{F}{m}t^2 + v_0t + x_0 が得られます。ここで、v0v_0 は初期速度、x0x_0 は初期位置です。
(c) ポテンシャルのグラフから、E1E_1 を持つ質点は x8x_8 より大きい領域で運動可能です。
E2E_2 を持つ質点は x7x_7 より大きい領域で運動可能です。
E3E_3 を持つ質点は x6x_6 より大きい領域、または x1x_1 より小さい領域で運動可能です。
E4E_4 を持つ質点は x5x_5 より大きい領域、または x2x_2 より小さい領域で運動可能です。
(d) ポテンシャルの極小点 xmx_m において、テーラー展開すると U(x)U(xm)+12U(xm)(xxm)2U(x) \approx U(x_m) + \frac{1}{2}U''(x_m)(x - x_m)^2 となります。ここで、U(xm)=0U'(x_m) = 0 であり、U(xm)>0U''(x_m) > 0 です。U(xm)U(x_m) は定数なので無視できます。このポテンシャルは調和振動子と同じ形をしているので、極小点の近傍では調和振動子のような運動をします。すなわち、質点は xmx_m の周りで振動します。振動数は ω=U(xm)m\omega = \sqrt{\frac{U''(x_m)}{m}} で与えられます。

3. 最終的な答え

(a) 式(1)が導出されました。
(b) x(t)=12Fmt2+v0t+x0x(t) = \frac{1}{2}\frac{F}{m}t^2 + v_0t + x_0
(c) E1E_1x>x8x > x_8, E2E_2x>x7x > x_7, E3E_3x>x6x > x_6 または x<x1x < x_1, E4E_4x>x5x > x_5 または x<x2x < x_2
(d) 調和振動子のような運動、振動数 ω=U(xm)m\omega = \sqrt{\frac{U''(x_m)}{m}}

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