質量 $m$ の質点が長さ $l$ の質量の無視できる棒に取り付けられた単振り子を考える。鉛直下方向を $\theta = 0$ とする極座標系を考え、ポテンシャルエネルギー $U$ を $\theta$ の関数として求め、 $U(\theta)$ のグラフを図示し、全エネルギー $E$ の値に応じて、起こり得る運動を議論せよ。$\theta = 0$ の近傍での $U(\theta)$ の近似を求め、図中に示し、議論に含めること。

応用数学力学単振り子ポテンシャルエネルギー近似振動
2025/6/25

1. 問題の内容

質量 mm の質点が長さ ll の質量の無視できる棒に取り付けられた単振り子を考える。鉛直下方向を θ=0\theta = 0 とする極座標系を考え、ポテンシャルエネルギー UUθ\theta の関数として求め、 U(θ)U(\theta) のグラフを図示し、全エネルギー EE の値に応じて、起こり得る運動を議論せよ。θ=0\theta = 0 の近傍での U(θ)U(\theta) の近似を求め、図中に示し、議論に含めること。

2. 解き方の手順

(1) ポテンシャルエネルギー U(θ)U(\theta) の導出
振り子の高さは、l(1cosθ)l(1 - \cos\theta) で与えられる。したがって、ポテンシャルエネルギーは以下のようになる。
U(θ)=mgl(1cosθ)U(\theta) = mgl(1 - \cos\theta)
(2) U(θ)U(\theta) のグラフの図示
U(θ)U(\theta) は偶関数であり、θ=0\theta = 0 で最小値 00 をとる。θ=±π\theta = \pm \pi で最大値 2mgl2mgl をとる。
(3) 全エネルギー EE の値に応じた運動の議論
* 0<E<2mgl0 < E < 2mgl の場合:振り子は θ=0\theta = 0 を中心とした振動運動を行う。振幅は E=mgl(1cosθmax)E = mgl(1 - \cos\theta_{max}) を満たす θmax\theta_{max} で与えられる。
* E=2mglE = 2mgl の場合:振り子は θ=±π\theta = \pm \pi で静止する。
* E>2mglE > 2mgl の場合:振り子は回転運動を行う。
(4) θ=0\theta = 0 の近傍での U(θ)U(\theta) の近似
θ0\theta \approx 0 のとき、cosθ1θ22\cos\theta \approx 1 - \frac{\theta^2}{2} と近似できる。したがって、
U(θ)mglθ22=12(mgl)θ2U(\theta) \approx mgl \frac{\theta^2}{2} = \frac{1}{2} (mgl) \theta^2
これは、単振動のポテンシャルエネルギーに相当する。θ=0\theta = 0 の近傍では、振り子は近似的に単振動を行う。角振動数 ω\omega は、ω=gl\omega = \sqrt{\frac{g}{l}} で与えられる。
(5) 図示
U(θ)U(\theta) のグラフに U(θ)12(mgl)θ2U(\theta) \approx \frac{1}{2} (mgl) \theta^2 のグラフを重ねて描画する。θ=0\theta = 0 近傍では、両方のグラフが一致する。

3. 最終的な答え

ポテンシャルエネルギー: U(θ)=mgl(1cosθ)U(\theta) = mgl(1 - \cos\theta)
θ=0\theta=0 近傍での近似: U(θ)12mglθ2U(\theta) \approx \frac{1}{2} mgl\theta^2

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