与えられた問題は、直線運動する質点の角速度と角運動量に関するものです。具体的には、以下の4つの問題を解きます。 (1) 時刻 $t=0$ で質点が位置ベクトル $x_0 \mathbf{e}_x + L \mathbf{e}_y$ にいたとき、時刻 $t$ における質点の位置ベクトル $\mathbf{r}$ を求めます。 (2) 角 $\theta$ の正接を $x_0$, $v_0$, $t$, $L$ を用いて表します。 (3) 角速度 $\omega$ を $\omega = \frac{d\theta}{dt}$ で求めます。ただし、$\theta = \tan^{-1} s$ のとき、$\frac{d\theta}{ds} = \frac{1}{1+s^2}$ であることを利用します。 (4) 原点Oの周りの角運動量 $\mathbf{L}$ を求めます。このとき、$z$ 軸は紙面垂直上方向です。

応用数学ベクトル運動学角速度角運動量微分物理
2025/6/25

1. 問題の内容

与えられた問題は、直線運動する質点の角速度と角運動量に関するものです。具体的には、以下の4つの問題を解きます。
(1) 時刻 t=0t=0 で質点が位置ベクトル x0ex+Leyx_0 \mathbf{e}_x + L \mathbf{e}_y にいたとき、時刻 tt における質点の位置ベクトル r\mathbf{r} を求めます。
(2) 角 θ\theta の正接を x0x_0, v0v_0, tt, LL を用いて表します。
(3) 角速度 ω\omegaω=dθdt\omega = \frac{d\theta}{dt} で求めます。ただし、θ=tan1s\theta = \tan^{-1} s のとき、dθds=11+s2\frac{d\theta}{ds} = \frac{1}{1+s^2} であることを利用します。
(4) 原点Oの周りの角運動量 L\mathbf{L} を求めます。このとき、zz 軸は紙面垂直上方向です。

2. 解き方の手順

(1) 時刻 t=0t=0 での位置ベクトルが x0ex+Leyx_0 \mathbf{e}_x + L \mathbf{e}_y であることから、初期位置は (x0,L)(x_0, L) です。質点は直線運動をするので、xx 方向に速度 v0v_0 で等速運動すると仮定します。そうすると、時刻 tt における xx 座標は x=x0+v0tx = x_0 + v_0 t となります。yy 座標は LL で一定です。したがって、位置ベクトル r\mathbf{r}r=(x0+v0t)ex+Ley\mathbf{r} = (x_0 + v_0 t) \mathbf{e}_x + L \mathbf{e}_y となります。
(2) 角 θ\theta は、位置ベクトル r\mathbf{r}xx 軸となす角です。したがって、tanθ=Lx0+v0t\tan \theta = \frac{L}{x_0 + v_0 t} となります。
(3) 角速度 ω=dθdt\omega = \frac{d\theta}{dt} を求めます。θ=tan1(Lx0+v0t)\theta = \tan^{-1} \left( \frac{L}{x_0 + v_0 t} \right) なので、dθdt=dθdsdsdt\frac{d\theta}{dt} = \frac{d\theta}{ds} \frac{ds}{dt} となります。ここで、s=Lx0+v0ts = \frac{L}{x_0 + v_0 t} とおくと、dsdt=Lv0(x0+v0t)2\frac{ds}{dt} = -\frac{L v_0}{(x_0 + v_0 t)^2} となります。また、dθds=11+s2=11+(Lx0+v0t)2=(x0+v0t)2(x0+v0t)2+L2\frac{d\theta}{ds} = \frac{1}{1 + s^2} = \frac{1}{1 + \left( \frac{L}{x_0 + v_0 t} \right)^2} = \frac{(x_0 + v_0 t)^2}{(x_0 + v_0 t)^2 + L^2} となります。したがって、
ω=dθdt=(x0+v0t)2(x0+v0t)2+L2(Lv0(x0+v0t)2)=Lv0(x0+v0t)2+L2\omega = \frac{d\theta}{dt} = \frac{(x_0 + v_0 t)^2}{(x_0 + v_0 t)^2 + L^2} \cdot \left( -\frac{L v_0}{(x_0 + v_0 t)^2} \right) = -\frac{L v_0}{(x_0 + v_0 t)^2 + L^2} となります。
(4) 角運動量 L\mathbf{L} を求めます。質量の mm の質点の速度ベクトルは v=v0ex\mathbf{v} = v_0 \mathbf{e}_x です。したがって、角運動量 L\mathbf{L}L=r×(mv)=((x0+v0t)ex+Ley)×(mv0ex)=Lmv0ez\mathbf{L} = \mathbf{r} \times (m \mathbf{v}) = ((x_0 + v_0 t) \mathbf{e}_x + L \mathbf{e}_y) \times (m v_0 \mathbf{e}_x) = -L m v_0 \mathbf{e}_z となります。

3. 最終的な答え

(1) r=(x0+v0t)ex+Ley\mathbf{r} = (x_0 + v_0 t) \mathbf{e}_x + L \mathbf{e}_y
(2) tanθ=Lx0+v0t\tan \theta = \frac{L}{x_0 + v_0 t}
(3) ω=Lv0(x0+v0t)2+L2\omega = -\frac{L v_0}{(x_0 + v_0 t)^2 + L^2}
(4) L=Lmv0ez\mathbf{L} = -L m v_0 \mathbf{e}_z

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