川の中に仮締切りの矢板を打ち込んだ状態が図に示されている。矢板の奥行1mあたりに作用する全水圧とその作用方向・作用点を求める問題である。外側の水位が $H_1 = 3.3 \ m$、内側の水位が $H_2 = 0.9 \ m$ である。

応用数学水圧流体力学モーメント積分
2025/6/25

1. 問題の内容

川の中に仮締切りの矢板を打ち込んだ状態が図に示されている。矢板の奥行1mあたりに作用する全水圧とその作用方向・作用点を求める問題である。外側の水位が H1=3.3 mH_1 = 3.3 \ m、内側の水位が H2=0.9 mH_2 = 0.9 \ m である。

2. 解き方の手順

矢板に作用する全水圧は、外側からの水圧と内側からの水圧の差として計算できる。
まず、外側からの全水圧 P1P_1 を計算する。水圧は水深に比例するため、水圧の分布は三角形になる。全水圧は、この三角形の面積に相当する。
水の単位体積重量を γ=9.8 kN/m3\gamma = 9.8 \ kN/m^3 とすると、外側からの全水圧 P1P_1 は、
P1=12γH12×1=12×9.8×(3.3)2×1=12×9.8×10.89=53.361 kNP_1 = \frac{1}{2} \gamma H_1^2 \times 1 = \frac{1}{2} \times 9.8 \times (3.3)^2 \times 1 = \frac{1}{2} \times 9.8 \times 10.89 = 53.361 \ kN
次に、内側からの全水圧 P2P_2 を計算する。同様に、
P2=12γH22×1=12×9.8×(0.9)2×1=12×9.8×0.81=3.969 kNP_2 = \frac{1}{2} \gamma H_2^2 \times 1 = \frac{1}{2} \times 9.8 \times (0.9)^2 \times 1 = \frac{1}{2} \times 9.8 \times 0.81 = 3.969 \ kN
したがって、矢板に作用する全水圧 PP は、外側からの水圧と内側からの水圧の差である。
P=P1P2=53.3613.969=49.392 kNP = P_1 - P_2 = 53.361 - 3.969 = 49.392 \ kN
作用点は、水圧分布図の重心に相当する。外側からの水圧の作用点Hc1H_{c1}'は、底面からH1/3=3.3/3=1.1 mH_1/3 = 3.3/3 = 1.1 \ mの位置、内側からの水圧の作用点Hc2H_{c2}'は底面からH2/3=0.9/3=0.3 mH_2/3 = 0.9/3 = 0.3 \ mの位置となる。
全水圧の作用点を求めるには、各水圧のモーメントの釣り合いを考える。底面からの距離を HcH_c' とすると、
P×Hc=P1×H13P2×H23P \times H_c' = P_1 \times \frac{H_1}{3} - P_2 \times \frac{H_2}{3}
49.392Hc=53.361×1.13.969×0.349.392 H_c' = 53.361 \times 1.1 - 3.969 \times 0.3
49.392Hc=58.69711.1907=57.506449.392 H_c' = 58.6971 - 1.1907 = 57.5064
Hc=57.506449.392=1.164 mH_c' = \frac{57.5064}{49.392} = 1.164 \ m

3. 最終的な答え

矢板に作用する全水圧: 49.392 kN49.392 \ kN
作用方向: 外側から内側へ
作用点: 底面から 1.164 m1.164 \ m の位置

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