三角形ABCにおいて、角A, B, Cの大きさをそれぞれA, B, Cとする。$\tan A, \tan B, \tan C$はすべて整数で、$A < B < C$である。 (1) $\tan(B+C)$を$\tan A$を用いて表せ。 (2) $C < 90^\circ$を示せ。 (3) $\tan A, \tan B, \tan C$の組をすべて求めよ。

幾何学三角比三角形角度整数解三角関数の性質
2025/6/25

1. 問題の内容

三角形ABCにおいて、角A, B, Cの大きさをそれぞれA, B, Cとする。tanA,tanB,tanC\tan A, \tan B, \tan Cはすべて整数で、A<B<CA < B < Cである。
(1) tan(B+C)\tan(B+C)tanA\tan Aを用いて表せ。
(2) C<90C < 90^\circを示せ。
(3) tanA,tanB,tanC\tan A, \tan B, \tan Cの組をすべて求めよ。

2. 解き方の手順

(1) tan(B+C)\tan(B+C)tanA\tan Aを用いて表す。
三角形の内角の和は180度なので、A+B+C=180A+B+C = 180^\circより、B+C=180AB+C = 180^\circ - Aである。
したがって、tan(B+C)=tan(180A)=tanA\tan(B+C) = \tan(180^\circ - A) = -\tan Aとなる。
(2) C<90C < 90^\circを示す。
もしC90C \ge 90^\circだとすると、A<B<CA < B < CよりA<B<90A < B < 90^\circとなり、A, B, Cのいずれかが90度以上になってしまう。
三角形の内角の和は180度なので、A+B+C=180A+B+C = 180^\circであり、A,B,CA, B, Cはすべて90度未満でなければならない。しかし、tan\tanは整数であるため、A,B,CA, B, Cが90度に近い値になることはない。
C<90C < 90^\circを示すために背理法を用いる。もしC90C \ge 90^\circであると仮定すると、A+B+C>180A+B+C>180^\circとなるため矛盾する。したがって、C<90C < 90^\circである。
A,B,CA, B, Cは鋭角であり、A<B<CA < B < Cである。0<A<B<C<900^\circ < A < B < C < 90^\circである。
(3) tanA,tanB,tanC\tan A, \tan B, \tan Cの組をすべて求める。
tan(A+B+C)=tan(180)=0\tan(A+B+C) = \tan(180^\circ) = 0
tan(A+B+C)=tan(A+B)+tanC1tan(A+B)tanC=tanA+tanB1tanAtanB+tanC1tanA+tanB1tanAtanBtanC=tanA+tanB+tanCtanAtanBtanC1tanAtanBtanBtanCtanCtanA\tan(A+B+C) = \frac{\tan(A+B) + \tan C}{1-\tan(A+B)\tan C} = \frac{\frac{\tan A + \tan B}{1-\tan A \tan B} + \tan C}{1-\frac{\tan A + \tan B}{1-\tan A \tan B}\tan C} = \frac{\tan A + \tan B + \tan C - \tan A \tan B \tan C}{1-\tan A \tan B - \tan B \tan C - \tan C \tan A}
tan(A+B+C)=0\tan(A+B+C) = 0より、tanA+tanB+tanCtanAtanBtanC=0\tan A + \tan B + \tan C - \tan A \tan B \tan C = 0
tanA+tanB+tanC=tanAtanBtanC\tan A + \tan B + \tan C = \tan A \tan B \tan C
x=tanA,y=tanB,z=tanCx = \tan A, y = \tan B, z = \tan Cとおくと、x,y,zx, y, zは整数で、x<y<zx < y < zであり、x+y+z=xyzx+y+z = xyzを満たす。
x=1x=1のとき、1+y+z=yz1+y+z = yzより、yzyz=1yz-y-z = 1
yzyz+1=2yz - y - z + 1 = 2
(y1)(z1)=2(y-1)(z-1) = 2
y1=1,z1=2y-1 = 1, z-1 = 2より、y=2,z=3y = 2, z = 3
x=1,y=2,z=3x=1, y=2, z=3は条件を満たす。
x=2x=2のとき、2+y+z=2yz2+y+z = 2yzより、2yzyz=22yz - y - z = 2
y<zy < zより、y3y \ge 32yzyz>2(3)(3)33=12>22yz - y - z > 2(3)(3) - 3 - 3 = 12 > 2なので、x>1x>1の場合、条件を満たすy,zy,zは存在しない。
したがって、(tanA,tanB,tanC)=(1,2,3)(\tan A, \tan B, \tan C) = (1, 2, 3)

3. 最終的な答え

(1) tan(B+C)=tanA\tan(B+C) = -\tan A
(2) C<90C < 90^\circ (証明は上記参照)
(3) (tanA,tanB,tanC)=(1,2,3)(\tan A, \tan B, \tan C) = (1, 2, 3)

「幾何学」の関連問題

$0^\circ < \theta < 90^\circ$ かつ $\tan \theta = \frac{12}{5}$ を満たすとき、$\cos \theta$ と $\cos(90^\circ ...

三角比直角三角形三角関数の相互関係
2025/6/25

$0^\circ \le \theta \le 180^\circ$のとき、$\cos \theta = -\frac{4}{5}$である。このとき、$\tan \theta$の値を求めよ。

三角関数三角比cossintan角度
2025/6/25

$AB = x-1, BC = x, CA = x+1$ である $\triangle ABC$ において、$\cos B = \frac{2}{7}$ であるとき、次の問いに答える。 (1) 余弦定...

余弦定理三角形ヘロンの公式内接円面積
2025/6/25

一辺の長さが1の正方形ABCDがあり、各辺を3:4に内分する点をA1, B1, C1, D1とする。同様に正方形A1B1C1D1の各辺を3:4に内分する点をA2, B2, C2, D2とする。この操作...

正方形相似等比数列三平方の定理
2025/6/25

平面上に一辺の長さが1の正方形ABCDがある。各辺を3:4に内分する点をA1, B1, C1, D1とし、同様に正方形A1B1C1D1の各辺を3:4に内分する点をA2, B2, C2, D2とする。こ...

正方形相似数列等比数列三平方の定理
2025/6/25

$AB = AC = 10$ の二等辺三角形$ABC$ があり、辺$BC$の中点を$M$とすると、$AM = 4\sqrt{5}$である。$\triangle ABM$の外接円と辺$AC$の交点のうち...

二等辺三角形三平方の定理円周角の定理方べきの定理メネラウスの定理相似外接円
2025/6/25

一辺の長さが2の正六角形$A_1$があり、その面積を$S_1$とする。$A_1$の各辺の中点を頂点とする正六角形を$A_2$とし、その面積を$S_2$とする。 (1) $S_1$と$S_2$を求める。...

正六角形面積数列図形
2025/6/25

$\triangle ABC$において、$AB = \sqrt{2}$、$AC = 5\sqrt{2}$、$\angle BAC = 60^\circ$ であるとき、以下の値を求める問題です。 ア: ...

三角形余弦定理面積内接円
2025/6/25

表面積が $48 \text{ cm}^2$ の立方体の一辺の長さを求める問題です。

立方体表面積平方根正方形
2025/6/25

xy平面上に点P(-1, 9)があり、方程式 $x^2 + y^2 - 8x + 6y + 16 = 0$ で表される円Cがある。円Cの中心をAとする。 (1) 2点P, A間の距離dを求める。 (2...

座標平面距離円の方程式接する円
2025/6/25