ある立方体がある。その立方体の底面の縦を1 cm、横を2 cm それぞれ伸ばし、高さを1 cm縮めた直方体を作ったところ、体積が元の立方体の $\frac{3}{2}$ 倍になった。元の立方体の1辺の長さを求めよ。

1. 問題の内容

ある立方体がある。その立方体の底面の縦を1 cm、横を2 cm それぞれ伸ばし、高さを1 cm縮めた直方体を作ったところ、体積が元の立方体の $\frac{3}{2}$ 倍になった。元の立方体の1辺の長さを求めよ。

2. 解き方の手順

元の立方体の1辺の長さを $x$ cmとする。

元の立方体の体積は $x^3$ cm$^3$である。

新しい直方体の縦の長さは $(x+1)$ cm、横の長さは $(x+2)$ cm、高さは $(x-1)$ cmである。

新しい直方体の体積は $(x+1)(x+2)(x-1)$ cm$^3$である。

問題文より、新しい直方体の体積は元の立方体の体積の $\frac{3}{2}$ 倍なので、以下の式が成り立つ。

$(x+1)(x+2)(x-1) = \frac{3}{2}x^3$

この式を展開して整理する。

$(x+1)(x^2+x-2) = \frac{3}{2}x^3$

$x^3+x^2-2x+x^2+x-2 = \frac{3}{2}x^3$

$x^3+2x^2-x-2 = \frac{3}{2}x^3$

$2x^3+4x^2-2x-4 = 3x^3$

$x^3-4x^2+2x+4 = 0$

この3次方程式を解く。

$x=2$ を代入すると、$2^3-4\cdot2^2+2\cdot2+4 = 8 - 16 + 4 + 4 = 0$ となるので、$x=2$ は解である。

したがって、$x^3-4x^2+2x+4$ は $(x-2)$ を因数に持つ。

$x^3-4x^2+2x+4 = (x-2)(x^2-2x-2)$

$x^2-2x-2=0$ を解の公式を用いて解く。

$x = \frac{-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 - 4\cdot 1 \cdot (-2)}}{2\cdot 1} = \frac{2 \pm \sqrt{4+8}}{2} = \frac{2 \pm \sqrt{12}}{2} = \frac{2 \pm 2\sqrt{3}}{2} = 1 \pm \sqrt{3}$

$x$ は立方体の1辺の長さなので正の実数である必要がある。また、$x>1$ でないと高さ$x-1$が正にならない。

$x=2$, $x=1+\sqrt{3}$ のとき、条件を満たす。$x=1-\sqrt{3}$ は負の値なので不適である。

$x=2$ のとき、縦3cm、横4cm、高さ1cmとなり、体積は12cm$^3$。元の立方体の体積は$2^3 = 8$ cm$^3$。$\frac{12}{8} = \frac{3}{2}$なので、$x=2$は条件を満たす。

$x=1+\sqrt{3}$ のとき、縦$2+\sqrt{3}$cm、横$3+\sqrt{3}$cm、高さ$\sqrt{3}$cmとなり、体積は$(2+\sqrt{3})(3+\sqrt{3})\sqrt{3}$ cm$^3$。元の立方体の体積は$(1+\sqrt{3})^3$ cm$^3$。

$(2+\sqrt{3})(3+\sqrt{3})\sqrt{3} = (6+5\sqrt{3}+3)\sqrt{3} = (9+5\sqrt{3})\sqrt{3} = 9\sqrt{3}+15$

$(1+\sqrt{3})^3 = (1+2\sqrt{3}+3)(1+\sqrt{3}) = (4+2\sqrt{3})(1+\sqrt{3}) = 4+6+4\sqrt{3}+2\sqrt{3} = 10+6\sqrt{3}$

$\frac{9\sqrt{3}+15}{10+6\sqrt{3}} = \frac{3}{2}$

$2(9\sqrt{3}+15) = 3(10+6\sqrt{3})$

$18\sqrt{3}+30 = 30+18\sqrt{3}$

よって、$x=1+\sqrt{3}$も条件を満たす。

3. 最終的な答え

2 cm または $(1+\sqrt{3})$ cm