与えられた2次不等式 $x^2 - 2mx - 4m + 5 > 0$ (これを①とします) について、次の2つの問いに答えます。 (1) 不等式①の解がすべての実数であるとき、定数 $m$ の値の範囲を求めます。 (2) $0 \le x \le 4$ で常に不等式①が成り立つとき、定数 $m$ の値の範囲を求めます。

1. 問題の内容

与えられた2次不等式 $x^2 - 2mx - 4m + 5 > 0$ (これを①とします) について、次の2つの問いに答えます。

(1) 不等式①の解がすべての実数であるとき、定数 $m$ の値の範囲を求めます。

(2) $0 \le x \le 4$ で常に不等式①が成り立つとき、定数 $m$ の値の範囲を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 不等式①の解がすべての実数であるための条件は、$x^2 - 2mx - 4m + 5 = 0$ の判別式 $D$ が $D < 0$ となることです。

判別式 $D$ を計算します。

$D = (-2m)^2 - 4(1)(-4m + 5) = 4m^2 + 16m - 20$

$D < 0$ より、

$4m^2 + 16m - 20 < 0$

$m^2 + 4m - 5 < 0$

$(m + 5)(m - 1) < 0$

したがって、 $-5 < m < 1$。

(2) $f(x) = x^2 - 2mx - 4m + 5$ とおきます。$0 \le x \le 4$ で常に $f(x) > 0$ となるための条件を考えます。

$f(x) = (x - m)^2 - m^2 - 4m + 5$

軸 $x = m$ の位置で場合分けします。

(i) $m < 0$ のとき、$0 \le x \le 4$ で $f(x)$ は増加関数なので、$f(0) > 0$ であればよい。

$f(0) = -4m + 5 > 0$ より、$m < \frac{5}{4}$。

$m < 0$ と $m < \frac{5}{4}$ より、$m < 0$。

(ii) $0 \le m \le 4$ のとき、$0 \le x \le 4$ で $f(x)$ の最小値は $f(m) = -m^2 - 4m + 5$。

$f(m) > 0$ より、$-m^2 - 4m + 5 > 0$。

$m^2 + 4m - 5 < 0$

$(m + 5)(m - 1) < 0$

$-5 < m < 1$

$0 \le m \le 4$ と $-5 < m < 1$ より、$0 \le m < 1$。

(iii) $m > 4$ のとき、$0 \le x \le 4$ で $f(x)$ は減少関数なので、$f(4) > 0$ であればよい。

$f(4) = 16 - 8m - 4m + 5 = 21 - 12m > 0$

$12m < 21$

$m < \frac{21}{12} = \frac{7}{4}$

$m > 4$ と $m < \frac{7}{4}$ を満たす $m$ は存在しない。

(i), (ii), (iii) を合わせると、$m < 0$ または $0 \le m < 1$。

したがって、$m < 1$。

3. 最終的な答え

(1) $-5 < m < 1$

(2) $m < 1$